『れしあシステム』(Ver.0.10) 用
シナリオファイル作成説明

『れしあシステム』で使用するシナリオファイルの作成方法について 説明します。なお、ここでは『れしあシステム』のサンプルシナリオを 作成例としております。



【必要なファイル】

シナリオファイルで必要なファイルは以下の通りです。 文章ファイル、選択肢ファイル、画像ファイルは、それぞれ複数のファイルが 使用できます。

   ・初期設定ファイル …… 『れしあシステム』で最初に読みこまれるファイルです。
・文章ファイル …… 『れしあシステム』の実行中に 画面下部で表示される文章が書かれたファイルです。 選択肢を表示したり、画像を表示する制御コードも書かれています。
・選択肢ファイル …… 選択肢を表示させ、シナリオを分岐させるためのファイルです。
・画像ファイル …… WonderWitch用画像ファイルが複数結合されたファイルです。

シナリオファイルのファイル名は、初期設定ファイルは"init.txt"としなければ なりませんが、その他のファイルは任意のファイル名にすることができます。 また、WonderWitch上で他のファイルとの区別をつけるために、 区別しやすいファイル名をつけることをおすすめします。

それぞれのファイルのファイルサイズが大きくなると、『れしあシステム』において ファイル読み込みに時間がかかってしまうため、ファイルサイズが大きい場合は、 複数のファイルに分けることをおすすめします。

作成したファイルを「mkfent」によってWonderWitch転送形式に変換すると、 配布先ではWonderWitch転送形式への変換の手間が省けるため、 シナリオファイルを配布する際は変換することをおすすめします。



【初期設定ファイル】

『れしあシステム』で最初に読みこまれるテキストファイルです。
この初期設定ファイルのファイル名は"init.txt"です。 このファイルには、一番最初に表示させる文章のファイル名を書きます。 なお、ファイル名の先頭には"/rom0/"を書かないでください。また、 書いたファイル名の後に必ず改行してください。

   例) "init.txt"の内容 (文章ファイル"/rom0/maintxt1.txt"の内容が最初に表示される)
maintxt1.txt



【文章ファイル】

画面下部に表示される文章が書かれたテキストファイルです。
選択肢を呼び出したり、画像を表示したりする制御コードも このファイルに書きます。
基本的には、文章ファイルは1行目から下の行へと順に読みこまれ、読みこまれた行が WonderWitch画面に表示させる文章であった場合はその行が表示され、 制御コードであった場合はその制御コードに従って処理が行なわれます。
また、1つの文章ファイルはいくつかのパートに分けることができます。 それぞれのパートは1、2、…と番号が割り振られます。パートの番号は、 文章ファイルの各パートの先頭で"#1"、#2"、…と書きます。
なお、『れしあシステム』起動直後は、"init.txt"で指定された文章ファイルの 1番目のパートの先頭から始まります。

   例) "maintxt1.txt"の内容
パートの番号 → #1
制御コード → &g1 tansyoku.cg 0 0
表示文章 → はじめる前に…
(中略)
パートの番号 → #2
表示文章 → 眠い…。
表示文章 → たたき起こされれば、当然のことである。
(以下略)



○表示文章

WonderWitch画面に表示される文章は、文章ファイルの各パートで上から 1行ずつ読みこまれ、読みこまれた順で表示されます。 画面では1度に2行表示できるため、表示文章の各行は、WonderWitch画面の "1行目に表示"、"2行目に表示"、"1行目に表示"、"2行目に表示"、…… と順番に表示されます。なお、制御コードの行は表示されないため、 "1行目に表示"、"2行目に表示"という決まりにあてはまりません。
また、文章1行では、全半角あわせて最大26文字までが表示できます。

   例) "maintxt1.txt"の2番目のパートの内容
パートの番号 → #2
1行目に表示 → 眠い…。
2行目に表示 → たたき起こされれば、当然のことである。
1行目に表示 → ということで…
2行目に表示 →
(中略)
1行目に表示 → (無視…。)
2行目に表示 →
制御コード → &g4 girl.cg 8 0
1行目に表示 → れしあ「すぅ…(息を吸う音)」
2行目に表示 →
(以下略)



○制御コード(選択肢)

シナリオを分岐させる選択肢を呼び出すコードの行は、文章ファイルでは 次のようになっています。

   &c(番号:n) (選択肢ファイル名:filename)

この制御コードの行によって、ファイル名filenameの選択肢ファイルのn番目の パートの選択肢が呼び出されます。なお、選択肢ファイル名の先頭には "/rom0/"を書かないでください。
呼び出された選択肢ファイルでは、選択された選択肢に応じて 別の文章ファイルのパートにジャンプします。そのため、文章データのパートに 選択肢を呼び出すコードが書かれていると、そのコードがそのパートの最後の行に なります。
選択肢ファイルについては、本説明ファイルの【選択肢ファイル】の項を ご覧ください。

   例) "maintxt1.txt"の選択肢を呼び出すコードの行
   &c1 select.txt
では、"/rom0/select.txt"の1番目のパートの選択肢が呼び出されます。



○制御コード(画像)

画像を表示させるコードの行は、文章ファイルでは次のようになっています。

   &g(番号:n) (画像ファイル名:filename) (X座標:x) (Y座標:y)

この制御コードの行によって、ファイル名filenameの結合画像ファイルの n番目にある画像を、(x,y)の座標に表示させます。画像が表示可能な領域は 横224ドット、縦112ドットなのですが、横8ドット×縦8ドットを1マスとして、 そのマスをX座標、Y座標の単位としています。ということで、表示可能領域は 横28マス、縦14マスとなります。また、制御コードにおける(x,y)の座標は 画像の左上の位置としているので、x:0〜27、y:0〜13の範囲です。ちなみに (0,0)の座標は画像表示領域の左上の座標で、(27,13)の座標は画像表示領域の 右下の座標になります。
あと、画像表示領域から画像がはみ出ると誤動作しますので、はみ出ないように 表示位置を指定してください。
画像ファイルについては、本説明ファイルの【画像ファイル】の項をご覧ください。

   例) "maintxt1.txt"の画像を表示するコードの行
   &g3 girl.cg 8 0
では、"/rom0/girl.cg"の3番目の画像が(8,0)の座標に表示されます。

 
図1 : 画像表示領域
図はWonderWitchの画面を表す。
WonderWitchの画面の横28マス×縦14マスが画像表示領域になる。 画像表示領域の左上の座標は(0,0)で右下の座標は(27,13)となる。
 
図2 : 画像表示座標
横5マス(40ドット)×縦3マス(24ドット)の画像を座標(2,1)に表示させると このようになる。(図の上部、左部の数字はX座標、Y座標を表す)



○制御コード(ジャンプ)

別の文章ファイルのパートにジャンプするコードの行は、文章ファイルでは 次のようになっています。

   &s(番号:n) (選択肢ファイル名:filename)

この制御コードの行によって、ファイル名filenameの文章ファイルのn番目の パートの先頭にジャンプします。なお、文章ファイル名の先頭には "/rom0/"を書かないでください。

   例) "maintxt1.txt"の別の文章のパートにジャンプするコードの行
   &s4 maintxt1.txt
では、"/rom0/maintxt1.txt"の4番目のパートの先頭にジャンプします。



○制御コード(終了)

シナリオを終了させるには"#0"という行を文章に書きます。
このコードが書かれた行が読みこまれると、シナリオが終了します。



【選択肢ファイル】

シナリオを分岐させるための選択肢が書かれたテキストファイルです。
選択肢ファイルはいくつかのパートに分けることができます。それぞれのパートは 1、2、…と番号が割り振られます。パートの番号は、選択肢ファイルの各パートの 先頭で"#1"、#2"、…と書きます。パートの番号の次の行には選択肢の数を 書きます。その次の行には1個目の選択肢の画面に表示させる内容、 そして次の行にはその 選択肢が選択された時にジャンプする文章ファイルのファイル名とパート番号を 書きます。さらに次の行には2個目の選択肢の画面に表示させる内容、そして次の 行にはその2個目の選択肢が選択された時にジャンプする文章ファイルのファイル名と パート番号を書きます。これを選択肢の数だけ書きます。

1つのパートでは、最大8個の選択肢を表示することができます。 選択肢の画面に表示させる内容は、1つの選択肢あたり全半角あわせて 18文字までです。

選択肢が選択されたときにジャンプする文章ファイルのファイル名とパート番号の 行は次のように書きます。

   (番号:n) (選択肢ファイル名:filename)

この行によって、ファイル名filenameの文章ファイルのn番目のパートの先頭に ジャンプします。なお、文章ファイルのファイル名の先頭には"/rom0/"を 書かないでください。

   例) "select.txt"の1番目のパートの内容
パートの番号 → #1
選択肢の数 → 2
1個目の表示内容 → ・説明を聞く
1個目の選択肢のジャンプ先 → 3 maintxt1.txt
2個目の表示内容 → ・やだ、2度寝する
2個目の選択肢のジャンプ先 → 2 maintxt1.txt
      1個目の選択肢「・説明を聞く」が選択された時、文章ファイル "/rom0/maintxt1.txt"の3番目のパートの先頭にジャンプします。
2個目の選択肢「・やだ、2度寝する」が選択された時、文章ファイル "/rom0/maintxt1.txt"の2番目のパートの先頭にジャンプします。



【画像ファイル】

WonderWitchのビットマップ変換ツール「bmpcnv」で作成された画像ファイルを 画像ファイル結合ソフト「combcg.exe」で結合したファイルです。
このファイルの作成の流れは次のようになります。
  1. ビットマップ画像の作成
  2. 「bmpcnv」による画像ファイルの変換
  3. 手順2で作成した複数の画像ファイルを「combcg.exe」で結合
結合したファイルが、『れしあシステム』の画像ファイルになります。

現バージョンの『れしあシステム』では、表示できる画像は、グレー4色、 モノクロ2色だけで、カラーには対応しておりません。
表示できる画像の大きさは、最大、横224ドット、縦112ドットです。 これよりも大きい画像だと誤動作しますので、注意してください。
「combcg.exe」の使い方については、 「combcg.exe」の説明をご覧ください。 なお、「combcg.exe」において、結合リストに書かれたファイルの順番で、 1番目の画像、2番目の画像、…となります。