タイトル: 米七noteTR2 作者: 工藤 達也 使用方法: ksnote.fxおよびurp_dic.fxを/rom0に転送し、 /rom0/ksnoteを実行して下さい。 詳しい使用方法は、以下のチュートリアルを 参照して下さい。 動作環境: モノクロワンダースワン ファームのバージョン: Freya 1.0 BIOS 1.0.0 OS 1.0.3 コンセプト: ワンダースワン本体のみで、漢字変換を含めた 日本語の入力を行います。 アピールポイント: 文字の入力は、パイメニューという特殊なメニュー方式を 使用しており、慣れると、そこそこ高速に入力可能です。 漢字変換は、SKKに近い方式を採用しており、 小さい辞書でも実用的な漢字変換を行います。 米七note とりあえずリリース2(漢字変換辞書同梱版) チュートリアル (C) 2001 ROYALPANDA 1. 準備 1.1. 実行ファイルの転送 ksnote.fxを/rom0に転送して下さい。 次のファイルを作成します。 ファイル名 ksnote 説明 米七noteとりあえず版 1.2. 辞書ファイルの転送 漢字変換用の辞書を転送しておく必要があります。 urp_dic.fxを/rom0に転送して下さい。次のファイルを作成します。 ファイル名 urp_dic 説明 urp_dic サイズが64KBを超えているので、c.mos氏作成のMegシェルでは転送 できないようです。Meg(デフォルトシェル)なら転送できます。 1.3. 空き容量の確認 実行すると、/ram0にregg.datおよびksnote.txtというファイルを作成します。 それぞれ8KB使用しますので、/ram0の空き容量が16KB以上あることを確認して下さい。 2. 使ってみよう 2.1. 起動と終了 ksnoteを実行すると、次のような画面が表示され、開くファイル名の入力待ちに なります。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ |                            | |                            | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||開くファイル名の入力                || ||                          || ||/ram0/ksnote.txt<         || ||                ^          || ||         [改行/次頁]決定 [前頁]取消|| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| |                            | |                            | |                            | |                            | |                            | |   ↑       か あ や              | | ←    →     さ   制御             | |   ↓       た な は              | |                            | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 初期画面 ここで入力したファイルを編集します。ファイルが存在しない場合は 新たに作成されます。サイズは8KBytesです。 文字の入力方法はこれから説明するので、とりあえず今のところは、 Aキーを押しながらY3キーを押して下さい。デフォルトで入力されている /ram0/ksnote.txtというファイルを編集することになります。 ファイル名を入力すると、次のような基本画面になります。 上側のウインドウがテキスト入力エリアです。入力したファイル名 (今のところは/ram0/ksnote.txt)が存在する場合は、その内容が読み込まれて 表示されます。 点滅する三角形は現在のカーソル位置を表わします。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |                        | | | |^                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | |                        | | | +−−−−−−−−−−−−−−−Free 8192+ | |                            | |   ↑       か あ や              | | ←    →     さ   制御             | |   ↓       た な は              | |                            | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 基本画面 とりあえず一度終了させてみましょう。 STARTキーを押すと、次のようなメニューが表示されます。 +−メニュー+ |     | |→貼り付け| | 範囲指定| | 保存  | | 終了  | |     | +−−−−−+ メニューが表示されているときは、X,Yキーで→を移動させ、Aキーで決定します。 Bキーはキャンセルです。 "終了"の項目を選んでAキー押すと終了します。 なお、テキストの内容が変更されているときは、次のようなメニューが 表われます。 +−ファイルは更新されています+ |              | |→保存して終了       | | 編集内容を破棄して終了  | |              | +−−−−−−−−−−−−−−+ この場合、ファイルに保存してから終了するか、最後の保存以降の変更内容 を破棄して終了するかを選んで下さい。 Bキーを押してキャンセルすると、基本画面にもどります。 では次の節から、操作方法を説明します。 いままでと同じ手順で基本画面を表示させてください。 2.2. 文字入力 2.2.1. 基本的な操作 画面下に、「か あ や … な は」と表示されている領域があります。 これはパイメニューという、方向で項目を指定するタイプのメニューです。 8つの項目がそれぞれXキーで入力する上下左右および斜めの8方向に対応します。 米七noteのパイメニューは2階層になっています。最初に表示されているのは 1階層目で、これをトップメニューと呼びます。ここから項目を選ぶと、 メニューの2階層目が表示されます。これをサブメニューと呼びます。 さらに項目を選ぶと、選んだ項目の文字が入力されます。 試しにX4キー(右)を押してみましょう。サブメニューが次のように表示されます。 しゃ し す さ そ しゅ せ しょ 次にX1キー(上)を押してみましょう。カーソル位置に「し」が入力され、 メニューはトップメニューに戻ります。これで一文字の入力が完了です。 サブメニューで真ん中の項目(この例では「さ」)を選ぶときは、Aキーを押します。 基本的に、トップメニューで子音を選び、サブメニューで母音を選びます。 サブメニューでの方向に対応する母音は、どのサブメニューでもだいたい同じです。 2.2.2. サブメニューのキャンセル サブメニューで、何も表示されていない項目はキャンセル用で、 文字を入力せずトップメニューに戻ります。また、Bキーを押しても キャンセルになります。 まちがえてトップメニューのときにBキーを押すと、カーソル位置に 「▽」が表示されます。これは漢字変換モードで、3章で説明します。 今の段階では、もういちどBキーを押して下さい。キャンセルされて元に戻ります。 2.2.3. シフト トップメニューでは、Aキーはシフトキーとして働きます。 トップメニューでAキーを押してみましょう。押している間、メニューが変化します。 Aキーを離すと元に戻ります。Aキーを押している間表示されているメニューを シフトメニューと呼びます。 Aキーを押しながらXキーを押すことにより、シフトメニューの項目を選びます。 シフトメニューには、トップメニューにない「ま行」「ら行」があります。 また、濁音、半濁音が入力可能です。 2.2.4. 特殊な文字 拗音はサブメニューの斜め方向で入力できますが、シフトメニューの右上の項目 から入力することもできます。 撥音、促音および「わ行」は、トップメニューの右上の項目(や行)にあります。 他に、次の文字が入力可能です。サブメニューの余ったところにあります。 ー 。 、 ・ 「 」 2.2.5. モード切り替え・制御文字 「制御」サブメニューで選べる項目は次の通りです。 カナ カタカナ入力モードになります。 英数 ASCII文字入力モードになります。 かな ひらがな入力モードになります。 後退 カーソルの直前の1文字を消し、カーソルが1文字左に移動します。 タブ タブを入力します。 空白 スペースを入力します。 行頭 カーソルが行の先頭に移動します。 改行 改行します。 行末 カーソルが行の最後に移動します。 2.2.6. Tips 項目の選択は、キーを全て離すまで決定しません。 Xキーを押したまま離さずにぐるぐる回すことにより、サブメニューが次々に 表示されます。 またXキーを押していないときは、Aキーを押している間だけシフトメニュー になりますが、一度Xキーを押すと、離してサブメニューになるまでの間、 Aキーを押すたびにシフト状態が切り替ります。 慣れないうちはこのようにして目的の文字を探すとよいでしょう。 2.3. 編集 Yキーを使うと、カーソル移動やテキストの編集ができます。 画面左下には、その時点でYキーがどのような働きをするかが表示されています。 この領域を編集ガイドと呼びます。 2.3.1. カーソル移動 トップメニューの状態では、編集ガイドに矢印が表示されています。 この状態では、Yキーでカーソルを移動することができます。 2.3.2. ページジャンプ Aキーを押しながらY1,Y3(Yキー上下)を押すと、ページ単位でカーソルが移動します。 編集ガイドには、「前頁」「次頁」と表示されます。 押し続けると、オートリピートします。 2.3.3. スペース/バックスペース Aキーを押しながらY2(右)キーを押すと、スペースを入力します。 Aキーを押しながらY4(左)キーを押すと、カーソルの直前の文字を削除し、 カーソルは1文字左に移動します。 この2つは「制御」サブメニューのものと同じですが、オートリピートします。 編集ガイドには、「空白」「後退」と表示されます。 2.3.4. その他 Yキーは、状態によって機能が変化しますが、それらは必要に応じて説明します。 3. ReasonableEggによる漢字変換 ReasonableEggは、SKK風の漢字変換方式です。 単語単位で変換します。変換開始位置および送り仮名の位置を ユーザーが指定するという特徴を持ちます。 3.1. 基本的な漢字変換 普段は[通常モード]で、2章で説明した動作をします。 このモードでは、入力した文字がそのまま入力されます。 3.1.1. 漢字変換の手順 Bキーを押すと、[読み入力モード]になります。 このとき、カーソル位置には▽が表示されます。つづけて読みを入力 していきます。 例として、「映す」と入力してみましょう。 ▽ <「う」「つ」と入力> ▽うつ 送り仮名の直前の位置でもういちどBキーを押します。 ▽が表示され、[送り仮名入力モード]になります。 ▽うつ▽ 送り仮名を入力すると、[候補選択モード]になります。 送り仮名の無い単語を入力するときは、もういちどBキーを 押します。 <「す」を入力> ▼移す BキーまたはX2キーで次候補、X4キーで前候補が表示されます。 ▼映す Aキーを押すと確定し、候補が入力されて[通常モード]に戻ります。 映す 3.1.2. 入力の訂正 「後退」(Aキー+Y4キー、または「制御」サブメニューから選ぶ)は、 入力の訂正に使用します。 [読み入力モード]のときは、1文字訂正します。 <「う」「ち」と入力> ▽うち <「後退」を入力> ▽う 読みが入力されていないとき(▽だけ表示されているとき)は、通常モードに戻ります。 [送り仮名入力モード]および[候補選択モード]のときは、 [読み入力モード]に戻ります。 <[送り仮名入力モード]> ▽うつ▽ <「後退」を入力> ▽うつ <[送り仮名入力モード]> ▽うつ▽ <「す」を入力> ▼映す <「後退」を入力> ▽うつ 3.2. 特殊な変換 3.2.1. 無変換 [通常モード]以外の時は、Y1キー(上)は「無変換」キーになり、押すと、 読みがそのまま確定します。編集ガイドには、「無変」と表示されます。 [読み入力モード][送り仮名入力モード]で「改行」を入力した時も、 同じように無変換になります。 3.2.2. トグル変換 [読み入力モード][送り仮名入力モード]の時は、Y3キー(下)は「トグル」キーになり、 押すと確定し、読みが次のように変換されて確定します。 ひらがな → カタカナ カタカナ → ひらがな アルファベット小文字 → アルファベット大文字 アルファベット大文字 → アルファベット小文字 それ以外 → そのまま [候補選択モード]のときも確定しますが、送り仮名の部分は変換されずそのまま 確定します。 3.3. 辞書登録 [候補選択モード]で候補が尽きると、自動的に辞書登録モードになります。 3.3.1. 辞書登録ウインドウ 例として、「みおく-る」を変換します。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |▽みおく▽                   | | | |                        | | 「る」を入力すると[候補選択モード]になりますが、「見送」という 候補はありません。そのため、辞書登録モードになり、次のような 辞書登録ウインドウが表示されます。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |                        | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||みおく▽る[辞書登録]               || ||                          || ||<                         || ||^                          || ||          [改行/次頁]決定 [前頁]取消|| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |                        | | | |                        | | | |                        | | | +−−−−−−−−−−−−−−−Free 8192+ | |                            | |   ↑       か あ や              | | ←    →     さ   制御             | |   ↓       た な は              | |                            | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ 辞書登録画面 このウインドウで、「見送」をなんとか入力します (見る、「後退」、送る、「後退」 のように)。 | |                        | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||みおく▽る[辞書登録]               || ||                          || ||見送<                       || || ^                        || ||          [改行/次頁]決定 [前頁]取消|| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |                        | | 入力したら、「改行」または「次頁」(Aキー+Y4キー)を入力します。すると、 「みおく-る」の変換候補として「見送る」が表示されます。 +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |見送る                     | | | |   ^                     | | 同時に「見送」が登録され、次に「みおく-ら/り/る/れ/ろ」を 変換したときに、「見送」が候補として表われます。 3.3.2. 登録の中止 辞書登録をやめる時は、「前頁」(Aキー+Y1キー)を入力します。 または、何も入力していない状態で「次頁」または「改行」を入力します。 3.3.3. 注意点 送り仮名のある単語を登録するときは、辞書登録ウインドウで 送り仮名を入力してはいけません。例えば上の例で「見送る」を 登録すると、「みおく-る」の変換候補として「見送るる」が 表示されてしまいます。 また、登録できる単語数には制限があります。ユーザー辞書の容量が 尽きた場合、使用頻度の低い候補から消されていきます。 3.3.4. 再帰的辞書登録 辞書登録ウインドウでの入力中に、さらに辞書登録を行なうことができます。 例えば、「りょうしりきがく」を変換してみましょう。 候補が無いので、辞書登録ウインドウが開きます。 そこで、まず「りょうし」を変換します。 | |                        | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||りょうしりきがく[辞書登録]            || ||                          || ||▽りょうし▽<                   || ||                          || ||          [改行/次頁]決定 [前頁]取消|| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |                        | | しかし、「りょうし」の候補も無いため、「りょうし」の辞書登録ウインドウが 開きます。そこで、まず「量子」を登録します。 | |                        | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||りょうしりきがく[辞書登録]            || |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||りょうし[辞書登録]                || ||                          || ||量子<                       || || ^                        || ||          [改行/次頁]決定 [前頁]取消|| |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| | |                        | | 「量子」が登録され、最初の辞書登録ウインドウに「量子」が入力されました。 あとは「力学」を入力して、「量子力学」を登録します。 | |                        | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||りょうしりきがく[辞書登録]            || ||                          || ||量子<                       || || ^                        || | |                        | | |+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+| ||りょうしりきがく[辞書登録]            || ||                          || ||量子力学<                     || || ^                      || +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+ | | |量子力学                    | | | |    ^                    | | 3.3.5. 登録した候補の削除 [候補選択モード]のときにY2キーを押すと、表示されている候補を 辞書から消すことができます。 編集ガイドには、「抹消」と表示されます。 ただし、消すことができるのはユーザー辞書に登録されている候補だけで、 もともと登録されていた候補を消すことはできません。 3.3.6. ユーザー辞書のセーブ 米七noteの終了時、/ram0/regg.datというファイルにユーザー辞書の内容と 変換候補の頻度情報が保存されます。 4. 操作メニュー 基本画面でSTARTキーを押すと、次のようなメニューが表示されます。 +−メニュー+ |     | |→貼り付け| | 範囲指定| | 保存  | | 終了  | |   | +−−−−−+ 2.1節で、終了は使用しました。ここでは、その他の項目を説明します。 4.1. 範囲指定 範囲指定モードになります。このモードでは、範囲指定されているエリアが 強調表示されます。 このモードのときにSTARTキーを押すと、次のようなメニューが表われます。 +−領域編集+ |     | |→コピー | | 切り取り| | 削除  | |    | +−−−−−+ それぞれ、次のような動作を行ない、範囲指定モードを終了します。 コピー 指定範囲をカットバッファ(メモリ上の一次退避領域)にコピーします。 切り取り 指定範囲をカットバッファにコピーしたあと、その範囲を削除します。 削除 指定範囲を削除します。カットバッファの内容は変化しません。 Bキーを押すと、何もせずに範囲指定モードを終了します。 4.2. 貼り付け カットバッファの内容をカーソル位置に挿入します。 4.3. 保存 テキストをファイルに上書き保存します。 4.4. 終了 終了します。 最後に保存してから変更がある場合は、保存してから終了するか聞いてきます。 5. 最後に 現在の米七noteはテキストエディタとしては機能不足ですが、 将来的には次のような機能が付く予定です。あくまで予定です。 ・まともなファイルアクセス ファイル選択メニューから選んで開いたり、別名をつけて保存したり。 ・検索/置換 やっぱ正規表現でしょう。 ・マルチバッファ/マルチウインドウ マルチウインドウはいらないような気も。ってゆーか狭い。 ・複数の漢字コード/改行コード 自動認識はやっかいだけど。 ・12〜16ドットフォントによる表示 恵梨沙で漢字変換は厳しい。橘か、せめて要町が欲しい。でもROM容量が。 ・描画の高速化 現在ははっきりいって手抜きだし。 ・オートインデント 空白行ではちゃんとインデント解除する賢い奴、よーするにnvi風。 ・単漢字変換機能 超漢字の漢字検索ツールみたいなすごいの。 ・スクリプト言語 言語名は「Sake(サーキー)」の予定。 ・実身/仮身 ファイルフォーマットはどーするんだ?