明るい光がさしこんでいる。 外を見ると、ここが1かいで あることがわかる。木ぞうの 家がまばらにある、森に 囲まれた小さな村だ。 ここは物おきのようだ。 かんそなベットがある。 木の香りの強い部屋だ。 あなたの性別を、 教えて下さい。 君は、長い長いゆめを見て いた。ゆめはほとんど 思い出せない…。かすかに 思い出せるのは、おばあさん に化けたオオカミが、 訪ねて来た、まご娘をだまし て食べようとして…まご娘に 化けた悪りょうに逆にだまさ れて殺されてしまう… という所だけだった。 君は目を覚ました。 君は知らない部屋の 知らないベットの上にいて、 知らない天井を 見つめている…。 君にはここがどこだか皆目 見当もつかない。自分がなぜ 今ここにいるのか… きおくの糸を たぐりよせる… 船に乗っていた。 船は迷い方向を失っていた。 そしてはげしい嵐にあい、 船にきれつが入り、船は 沈み始めた。 そして君は荒れ狂う海に 投げ出された… きおくはそこでぷっつりと 途切れている。 家具や、剣やよろいなどの 武具、木の箱やタルなどが、 乱雑におかれている。 家具が多い。 大きなクローゼットがある。 耳をすますと、 トリのさえずる声、 人々の話し声が、 かすかにきこえてくる。 誰かが近づいてくる 足音がする。 新しい家具が多い。 部屋のトビラのカギが あく音がする。 トビラがあき、 中年の女性が入ってきて 話しかけてきた。 「気がついたようね。あんた、体、大丈夫 かい?あんたが海岸にたおれているのを 見た時は、死んでるかと思ったわよ。 それにしてもうんが良かったわね! ケルージャの方に流れ着かなくて!! ケルージャの方に流れ着いてたら、 あの、残虐非道なケルージャのことだから あんたきっと、スパイだとか言われて、 ひどい殺され方をしてたよ!ほんと、 あなたはうんにめぐまれたよ。 あら、自己紹介がまだだったわね。 私はマリア。夫は家具しょく人で、 トムっていうのよ。 そこへ女の子がかけよって きた。マリアに小さな声で 何か言って、それから 君の方をちらっと見て、 さっと部屋を出ていった。 今のは私のまごでね、ターシャって いうんだ。かわいいだろ? あ、あと、 今日はここに泊まっていいからね。 それから、今私達の国は諸悪の根源たる ケルージャと戦争中なわけだから、 あまりよその人が村をうろつくのは色々 よくないわ。だから今日は家の中に いなさいね。よかったら2かいで ターシャのめんどうでもみてあげて」 「プレイ方法の説明」 X いどう。 A 行動メニューに入る。 B キャンセル。 Y 戦いの時に使用 SP=生命力 TP=体力 TPは時間とともにへり、 TPが少ないと、SPが 回復しません。食事をとると TPを回復します。 眠っている間はTPは へりません。SPとTPは、 名前のよこにそれぞれ 0から9の10だんかいで 表示されます。 プレイを中断する時は、 メニュー4ばんの旅のきろく をえらびます。この作品では セーブデータはロードすると 消えます。セーブした所から やりなおす、といったことは できません。それから、一つ だけ注意を。「たたかう」は 相手を殺す意思のある時に だけ、使うものです。 以上で説明終了です。 それでは、 よい旅を。 マリアばあさんがいる。 このちいきのことをきく。 「かわいいおまごさんですね」 「あのう…おひるごはんは…?」 「あらっ、あんたターシャをねらってるの かい?ライバルは多いわよー」 「うふふ。めんどうみてあげてね」 「ここはねぇ、ダグラット王国のはしの ルービスっていう小さな村よ。今私達の国 はね、ケルージャっていう極悪非道の国と 戦ってるの。正義と平和を守るためにね。 ここは前線に近いんだけど強固なようさい と、この森のおかげで村の平和は守られ てる。ケルージャはね、本当にひどいん だよ…。ダグラットの人間を誘拐して、 奴隷にしたり、ダグラットの土地や財産を 不正にうばったり、こっちの産業や商売が つぶれるように取り計らったり、戦争に なってからは、一体いくつの町の罪もない 人々がやつらに虐殺されたことか…。 それに…私の娘…ターシャの両親もやつら に殺された……!絶対にゆるせない……! あなたには関係の無いことかもしれない けど、この戦争に、ダグラットが勝利する ことを祈っていてほしいわ。ダグラットの 平和とちつじょために、なによりも… あの子、ターシャのためにね…」 「12時に食堂へきてちょうだい! おいしいシチューをさしあげるわ」 家具を作るこうばがある。 トムと徒弟の男が2人、家具 を作っている。どの家具も 美しいそうしょくがなされ、 王宮にあるかぐのようだ。 トムが家具を作り、 徒弟の男2人が 真剣な眼差しで それを見ている。 家具を作るこうばがある。 どの家具も美しいそうしょく がなされ、まるで王宮にある 家具のようだ。 今は誰もいない。 食堂だ。 おいしそうなにおいがする。 ちゅうぼうだ。 マリアばあさんがりょうりを している。 食器だながある。 きれいな食器が たくさん入っている。 食卓がある。 ターシャが食卓に ついて、おひるごはんを まっている。 (チュートリアル: 「時間」をじっこうして 12時0分にすすめ、 「ききみみ」をしてみよう) (チュートリアル: 「はなす」を じっこうしてみよう) ターシャが、読んでいる本 の内容をマリアばあさんに 話している。 人の話し声がきこえる。 上りかいだんがある。 下りかいだんがある。 この部屋には大きな本だなが いくつかある。このごじせい こんなにもたくさんの本を 持っているのは、この家が ゆうふくなあかしだ。 ここはベランダだ。村が見わ たせる。ダグラット軍の建物 らしいものが遠くに見える。 兵士が村を巡回しているのが 見える。一見してのどかだ。 今は忙しそうで、話せそうにない。 「おばあちゃんのシチューはとっても おいしいんだよ。でもあつあつだから 気をつけてね」 ターシャとマリアばあさんが 食卓についてシチューを食べ ている。シチューからゆげが たちのぼり、いいにおいが あたりにただよっている。 「今あなたの分をよそってくるわ。 ちょっとまっててね」 マリアばあさんがあつあつの シチューを皿によそって、 はこんできた。 食卓について、 シチューをいただいた。 「シチューはどうでした?」 と、マリア。ターシャには今めのまえの シチューしか見えていないようだ。 ふかふかのソファーがある。 ターシャがすわって本を 読んでいる。 「夕食は7時にするから、それまで2かい でターシャといっしょにまっててね。 あ、あと、ところであなた、これからどう するの?やっぱりこきょうに帰るの かしら?それとも、この村にのこるかい? のこるなら明日みんなに紹介するよ? うちの物おきでよければ、かして あげるしね。どうかしら?」 こきょうをめざします。 すこし、かんがえる時間を下さい。 このシチューがずっとたべられるなら! 「あら、ざんねん。ターシャのいい お兄さんになるかと思ったんだけどね。 「あら、ざんねん。ターシャのいい お姉さんになるかと思ったんだけどね。 「いいこたえをきたいしてるわよ。あなた ならターシャのいいお兄さんになれるわ。 「いいこたえをきたいしてるわよ。あなた ならターシャのいいお姉さんになれるわ。 「あら!うれしいこといってくれるじゃな い!明日さっそくみんなに紹介するわね! 私はこれからちょっとでかけるから、 夕食まで時間つぶしててね」 本が好きかい? 何をよんでいるの? 君、としはいくつ? 「うん。とっても。本を読んでると自分が ちがう世界にいるような気分になれるもの 「ぼうけんしょうせつ。大好きなの。 こういうの。あこがれてるのかな」 「えっっ?こんど11になるけど?」 ターシャのかおがすこし赤くなった。 いがいとおませさんだ。 「こんど11になるの」 「ヒマならゆうしょくまでねむってたら? まだ、体調よくないんでしょ?」 ターシャがやってきて言った。 「おばあちゃんのかえりがおそいから、 ちょっと外を見てくるね」 ここはベランダだ。村が見わ たせる。なんだかようすが おかしい。とおくで火のてが あがっており、きんぞくの ぶつかる音がひびいてくる。 マリアがものすごい ぎょうそうでかけよって きた!ただごとではない ようすだ! 「ターシャはッ!ターシャはどこッ! え…?でかけた?大変!ついにここにも ケルージャがせめてきたの!もうここも 囲まれてるわ!あなたはこっちにきて!」 物おきのクローゼットの中に 押し込められた。 「今外に出ても殺されるだけ!ここに かくれていて!もし火を放たれてもこの 部屋は、もえないようになってるから! 私はターシャを探してくるッ!」 何も言いかえす間もなく、 いきおいよくトビラを しめられた。マリアの 走っていく音がきこえる。 とつぜんマリアのひめいが きこえてきた! そして大きなものおと! 男のうなり声もきこえてくる たすけにいく。 ここにいる。 クローゼットからとびだすと 足元に何かがころがって いた。それは、胴体から はなれたマリアの生首 だった。 前を見ると、剣と、まっ黒な よろいでぶそうした、残忍 そうな男がマリアの体に剣を 何度もつきさしていた。 殺りくを楽しんでいるようだ その男が、新しいえものに 狙いを定めた。君は近くに おいてあった古い剣を 手に取った。 そこへ今度はターシャがかけ こんできた!服がやぶれて いるがターシャは無事のよう だ。続いてケルージャの兵士 がまるごしでかけこんできた 剣ももたずに女の子を 追い回して一体どうする つもりだったのか。 ターシャはマリアのなきがら をみて、ぼうぜんと している。手を引いてつれて いくしかなさそうだ。 マリアが再びひめいを あげた!そのひめいは、 かえるがつぶれつような 音とともにとぎれた。 とつぜんしずかになる。 足音がとおざかっていく。 だが今度は別の足音が近づい てきた!かなりはやい! その足音はまっすぐここへ 向かっている!!! クローゼットのトビラに 手をかける音がする!!! そしてトビラがいきおいよく ひらいた!!! その人物は君におどろいて、 後ろにころんだ。その人物は ターシャだった。無事だった のだ!服はやぶれているが、 けがはなさそうだ。だが すぐにケルージャの兵士が かけこんできた。 そいつは剣をもってない。 まるごしで女の子を追いかけ 回して何をするつもり だったのだろうか。 君は近くにあった剣を 手に取った。 足元にマリアの生首が ころがっている。火が放たれ たらしく、家にけむりが じゅうまんしている。 ほとんどまえが見えない。 マリアの胴体がある。めった ざしなのに加え、体じゅうが ぐちゃぐちゃにひしゃげ、肉 のかたまりと化している。 あたりは血の海だ。 けむりでほとんど 前が見えない。 近くに人の気配がする。 けむりでよく見えないが、 目の前に人がいる! よろいと剣の形が シルエットで見える。 せんせいこうげきをしかける!! あいてのしょうたいをよくたしかめる。 よく見ると、白いよろいを みにつけている。ケルージャ の兵士ではないようだ。 男は君にきづくと、 話かけてきた。 「おまえはダグラットの人間だな?おれは バリー、バリー・カーク、バリーでいい。 ケルージャのやつらはだいたいかたずけた が、まだこのちいきはあぶない。オレと いっしょにひとまずみやこへいこう。 もうこの村には何もないしな」 君はターシャとともに、この バリーという男について いった。話によると、 バリーはエクセルシオという 特別な部隊の隊長だという ことだ。 それから、この村の生き残り は、君とターシャの2人だけ ということだった。 君たちはもえさかる村をあと にして森に入り、 ダグラットぐんの馬車に乗り 込んだ。馬車は首都へと 向かう街道を、ゆっくりと 進みだした。 君は、今まさに大きな うんめいのうずに まきこまれようと している。 この先、かこくな うんめいが君を まっているだろう。 そのうんめいをだはし、 未来をきりひらくのは、 君のはんだん、決断に かかっている。 マリアのかおは、ほとんど げんけいをとどめていない。 人の体とはとても 思えない。 本だなにたくさんの本が 並んでいる。 まどガラスにヒビが入って いる。石でも投げられたかの ようだ。 このまどガラスだけやけに キレイだ。ついさいきん とりかえられたのだろう。 家の前はそこそこ大きな 通りになっている。 たくさんあった家具が 一つも無い!! われたうえきばちが おちている。 家のかべには、つたがはい しっくいははげている。 とてもがんじょうそうな トビラだ。 家の前の通りを歩く少年が こちらをじろじろ見ている。 そして逃げるように 走り去った。 いっしゅんまどの外に人が いるような気がした。 マリアばあさんがいる。 (チュートリアル: 「はなす」を じっこうしてみよう)