森を抜け、草原を貫くマライ ヤ街道を進み、村を出てから 3日後、ついにダグラット王 国の首都、セントダグラット に、到着した。ルービスの 虐殺の話はすでに都市中に 広まっているらしく、帰って きたダグラットの部隊が門を くぐるなり、人々が集まり、 喚声をあげた。 バリー「君たちには明日、民衆の前で ルービスで起こったことについて、 話してもらう。その後、聖・騎士団の 隊長さんが、演説する。 ルービスの知らせが届いた時点で、 国民の士気はかなり高まってきてる ようだが、まぁその、なんだ、 火に油を注ごうってわけだな。」 馬車からそっと外をのぞくと 活気にあふれる都市の 街並みを見ることができた。 とても美しい街だ。 馬車は都市の中心にある セントダグラット城へと やってきた。その城は小高い 丘に白く輝き、高くそびえ、 とても美しかった。 人々の喚声がひびく中、 ゆっくりと城の堀にはね橋が おりた。すでに別の一隊は 他の場所にあるようさいへと 入ったが、聖・騎士団や バリーの率いるエクセルシオ のようさいや兵舎は城へきの 中にあるらしかった。 馬車は、多くの部隊に囲まれ て、城へ入った。 馬車はエクセルシオ隊の馬屋 へ入りそこで馬車をおりた。 バリーが君とターシャに 言う。 「これから君達を部屋へ案内する。 ついてきてくれ」 「この向こうにエクセルシオ隊の兵士の 部屋と食堂、および武器庫がある」 「ここが君達の部屋だ。一応客室らしくは してある」 「二人っきりだからって、あんまりへんな ことすると、となりにきこえるからな」 「部屋は一緒でかまわんな?女同士、 仲良くやってくれ」 この時バリーがターシャの 体をなめるように見て、 舌なめずりするのを、君は 見のがさなかった。 「この辺はすきにうろついてもらって かまわん。12時になったら食堂で まってる。あと、何かあったらつきあたり のオレの部屋まできてくれ」 部屋にはベット2つ、机1つ イス2つ用意されていた。 ないそうはたしかに一応は、 客室らしくしてあるという かんじだった。石づくりの かべはそのままな上、 じゅうたんもしいてない。 ターシャはまっさきにベット に行ってねころがった。 3日前ターシャはいがいにも 立ち直りがはやかった。 というのも、ターシャの親 が殺されたのが今から2週間 前で、その時まで自分に おばあちゃんがいるという ことを知らなかったという ことだった。それでも ショックは大きかったのだが 君がターシャの支えになって 元気づけたかいもあり、 ターシャはすっかり元気を とりもどしたのだった。 この3日間で、すっかり ターシャは君に なついたようだ。 「ねえ     !部屋はこんなだけど ベットはふっかふかだよっ 」 今日はゆっくりねむれそうだね。 じゃあ、いっしょのベットでねようね。 「うんっ!」 「えっ!?そっ、そんなっ、えっ、あっ、 で、でも、いっしょにねたいかも…です」 「やったぁっ!おねえさまといっしょなら きっとぐっすりねむれる!」 「ところで、バリーさんのことだけど、 私、なんかあの人、キライ。 だって目つきがいやらしいんだもん。 ねぇ、そう思わない?」 思う思う!! えー、思わないよー。 「ねっ!ぜったいヘンタイよ」 「うーん、そうかなぁ…」 「えー…、おねえさま、ひょっとして、 あの人、タイプ?」 そんなわけないわよー。 うんめいの人だわ…。 ばかこくでねえぞ!めちゃイケよッ! 「ほっ。安心したー」 「い、いい人かもね…」 君は死んだ。 ほんのじょうだんです(笑) 君とターシャの部屋だ。 ふかふかのベットが2つある (チュートリアル: 「はなす」で仲間と話して みましょう) ほんとふかふかだーっ。 ほら、ぼくらのあいの巣だよ。 ほんとふかふかだーっ。 夜いっしょにねようね。うふふふっ。 「あー、なんか今すぐねたーい」 木せいの机とイスがある。 まどからセントダグラットの 景色がいちぼうできる。 ゆうだいなながめだ。赤い 屋根の建物が、城へきまで ひしめきあってたっている。 ターシャ「たくさんのいえ1つ1つに人が 生活してるのよね…」 兵士が1人立っている。 君たちは通してもらえない ようだ。 兵士「わるいが今は外には出せない。 隊長の命令だからな。」 ここは武器庫だ。 少々変わった武器が多い。 アイテムボックスがある。 ここはバリーの部屋だ。 ここは食堂だ。食事どき ではないが、けっこう 人がいる。 食事の時にはここに りょうりが並べられる。 ここはテラスだ。城下町が いちぼうでき、すばらしい 景色が楽しめる。東の方に 港町が見える。城へきは そこまで続いている。 ここはバリーの部屋だ。 隊長の部屋だけあって、 ないそうもごうかで、 ちょうど品も多い。 テラスへのトビラもある。 (チュートリアル: とくに何もない所でも、 仲間と話すことが できます。) バリーがテーブルについて、 昼食をとつています。 けっこうカロリー高め(笑) ターシャ「いっしょに街をぶらぶら したいね」 ターシャ「このお城って、しょこは ないのかな?本がほしいなぁー」 外にテラスがある。 りっぱな机がある。 「説明するのを忘れていたが、食堂の 食りょうおきばには、食事の時間の メニューとは別に、作戦行動の時の ための保存食やけいたい食もおいてる んだが、好きなだけとっていいぞ。 昼食をすませたらもう一度オレに 話しかけてくれ。ここにくる途中に 説明した、れいの演説をやってもらう」 エクセルシオ部隊用の保存食 やけいたい食がおいてある。 食りょうを1つとった。 パンやスープ、チーズ、 サラダ、肉りょうりなど おいしそうな食べ物が いくつか並んでいる。 食べ物をお皿によそった。 「よし。それじゃ、行くぞ」 君はバリーにつれられて、 城の演説用バルコニーへ やってきた。下の城へきの 外は広場になっていて、今は 多くの人がつめかけている。 バリー「12時に食堂でまってるって 言ったろ?さ、ついてきてくれ」 バリー「さ、ルービスで起こったこと、 ぞんぶんに話してくれ」 君とターシャが一歩前へ出る と、ざわついていた民衆が 少ししずかになった。 君とターシャはあの村で 起こったさんげきを、 民衆に話してきかせた。 ターシャのおばあさんを、 見るもむざんなすがたにした ケルージャの兵士の残酷な ふるまいを、 罪もない村人の死体が あちこちにころがり、 ひとつの平和な村がもえて なくなるようすを、 こくめいに話した。 君とターシャが話し終えると 民衆は大声で叫んだ。 ダグラットの平和を守れと。 ケルージャを1人のこらず 殺さなければ、気が すまないと。民衆の こうふんがさいこうちょうに 達すると、聖・騎士団の隊長 が前へでた。さらに民衆の 声が大きくなる。 聖・騎士団隊長が演説を 始めると、バリーが手招き した。演説なんてきかないで いい、というかおを している。 君とターシャは、バリーと ともに、食堂へもどった。 バリー「ごくろうだった。帰ってきて すぐで悪いんだが、ちょっと君達に ついてきてほしい所がある。」 バリー「左の部屋が君達の部屋だな」 バリー「ここのかべなんだが、実はかくし トビラになっている」 バリー「ここに、はしごがかくしてある。 のぼるぞ。」 バリー「ここもかくしトビラで、向こうは ダグラット王のしんしつだ」 けんらんごうか、という言葉 は、この部屋にこそふさわ しい。王のしんしつだという のは一目でわかるほどの せいたくぶりだった。 外をながめていた王がこちら に気づいてやってきた。 ダグラット王「君が     か。 とつぜんな話だとは思うがきいてくれ。今 ダグラットの平和がおびやかされている。 ケルージャのはげしいこうげきに、おされ はじめているのだ。きけば君は、 ケルージャの兵士をショートソード一本で たおしたそうだな。相当な剣の使い手と みえる。君は東のジパールの人間だそう だが、ジパールの民は剣じゅつにひいでて いるというのは本当なのだな。 そこで君にたのみがある。わが国のスパイ としてはたらかないか?今この 状況では君を無事にこきょうへ帰すのは こんなんだ。おそらく、ケルージャの ぼうがいにあい、しっぱいするだろう。 どうだ?もちろんほうしゅうもたくさん はずむ。戦争にかった後は、君をこの国の きぞくとしてむかえてもいい。それに、 これはこの国だけのもんだいではない。 もしケルージャがかてば、この国は ほろぼされ、君の国もあぶなくなる。これ には世界全体の平和がかかっているのだ」 「わかりました。やります」 「おことわりします」 「よく言ってくれた。ではターシャ、君は どうする。サポート役をするか?」 ターシャ「はい!やります!りょうしんの かたきをうてるなら!」 ダグラット王「うむ、よく言って くれた。平和のため、せいぎのため、 できるかぎりのことをしよう! ではバリー、後はたのんだぞ」 再び食堂に帰ってきた。 バリー「さっそくだが今夜、君達に ケルージャへ向けて出発してもらう。私の 見た限りではターシャはともかく君には くんれんのひつようはないのでね。 出発の前にすこし注意するだけで いいだろう。ターシャはここで私が おしえる。5時になったらここへ きてくれ。武器庫のアイテムボックスの 中身をとって、ぶぐはちゃんとそうび しておけよ。しょくりょうも忘れるな」 「実はな、君がスパイではないかと うたがう声もあるのだ。君が何か、 この国のてきではないことを証明する ようなことをしないと、そうした声を おさえることができんのだ。残念だが、 君は拒否することはできないのだよ。 バリーの元ではたらいてくれるな? ターシャよ、サポート役をできるか?」 ダグラット王のしんしつだ。 家具をはじめとして、ごうか な品がそろっている。 今は王はいない。 食事の時間なので、 人がおおぜいいる。 兵士が3人、お茶をのみ ながら話をしている。 兵士が2人、昼食を 食べている。 兵士が3人、昼食を 食べている。 兵士が1人、お茶を のんでくつろいでいる。 さいきんセントダグラットで はやっているえんげきの話を しているようだ。いつの時代 もげいじゅつは人の心を ゆたかにするものだ。 まちの東のさかばにカワイイ 娘がいる、というような話を している。 とおくからきょうかいの かねの音がかすかに きこえてくる。 ターシャ「あ、きょうかいのかねの 音がする」 兵士「ルービスからの帰りの時に少し 話したけど、こうしてじっくり話すのは はじめてだな。君はジパールの人間なん だろ?オレは昔一度だけあそこへ 行ったことがあるんだ。いい所だな。 ダグラットもいいだろ?街はキレイで、 城は白くかがやき、軍隊は強く、 女は美人が多いし、なんといっても 酒がうまい!ははは!」 兵士「一応おしえておいてやるが、軍隊の 中でこんないいメシがくえるのは、 エクセルシオぐらいのもんなんだぜ。 エクセルシオはとくべつだからな」 兵士「この街のきょうかいを見たこと あるかい?すごいんだぜ」 兵士「隊長からきいたよ。あんた達も エクセルシオの兵士になったわけだね。 よろしく。あんたにおしえておいて あげよう。エクセルシオはふつうの 部隊じゃない。とくべつなにんむを こなす部隊、他の部隊ではできないような 高度なぎじゅつやちしきをひつようと するようなにんむをすいこうする部隊、 それがエクセルシオだ。いちばん むずかしいのが、あんさつ、なんだが、 どうやら隊長、あんたにそれをやらせる つもりらしいぞ。ウワサだがな。 それから、いいことをおしえてやろう。 この部隊の兵士へのほうしゅうは、 とても高い。どんなものでも好きなだけ 手に入る。だから、危険な部隊なのに、 しがんしゃが多い。もっとも、そう かんたんにエクセルシオには 入れないし、入ったとしても、すぐに 死ぬやつも多い」 バリーがターシャに いろいろ話している。 ひつようなちしきを まとめておぼえさせようと しているようだ。 今は話しかけられそうにない。 はりがみがある。『アイテム の使い方』とある。 『アイテムの使い方』 SPが5以上の時は、 やくそうで回復し、4以下の 時は、きんきゅうセットを 使うこと。SP4以下の じょうたいのままでいると、 とても危険です。命をおとす ことになるでしょう。 バリーがやってきた。 バリー「ちょっときてくれ」 バリーの部屋にきた。 ターシャもいる。 バリー「これから王の所へいく。今回は オレがつれていくが、次からは、自分で いくんだぞ。まだいろいろ話すことが あるが、それは王の話のあとだ」 バリーにつれられて、 ターシャとともに王の部屋に きた。王がまっていた。 王「君のさいしょのにんむを伝える。 これはバリーと話しあって決めたにんむ だ。ここから馬で2日の所に、ケルージャ のようさい「ダズール」がある。そこに いるパリス将軍を、暗殺せよ」 バリー「ウチのスパイがすでにダズールに もぐっている。コードネームはトトだ。 6月7日の午後11時のダズールの南門の けいびはトトがやっている。その日のその 時間帯にダズールへ行き、トトの助けを かりてようさいへせんにゅうしろ。そして パリス将軍を暗殺してこい。ようさいの 中のことはそこでトトにきけ。それから、 敵地では常にあたりに気をくばれ。トビラ をあける時には必ず向こうの気配を さぐってから、あけろ。ほんの少しの ミスが命とりになる。いいな」    れい→ 「暗殺不可」 チュートリアル: 暗殺は「たたかう」で実行。 暗殺可か不可かは、このワク の右上に表示されます。 君とターシャは部屋へ戻り いそいで荷物をまとめ、 馬屋へ向かった。 君達はいっとうの馬に二人 でのり、そっと城をでた。 夜のやみと星のかがやきが 君達をでむかえる。 セントダグラットの街をぬけ 城へきの外へでた。 ルービスの村から、 セントダグラットへとくる時 に通ったマライヤ街道を、 今度は逆に進む。 ターシャが話しかけてきた。 王のベットがある。