ターシャ「ねぇ、なんか、びっくりだね。 とつぜんこういうことになるなんて。 私ね、今回のこと、やるかってきかれた時 お父さんやお母さんのこと、思いだし ちゃって、それでそのいきおいで、 やるって言っちゃったんだ。本当は やりたくない。すごくこわい。でも、      がいてくれれば、私、 がんばれそう。ねぇ、 私達、正しいことをするんだよね…?」 そうだよ。 ちがうよ。 ターシャ「そうだよね。戦争はよくない ことだけど、私達はせいぎと平和のために 戦うんだものね…」 ターシャ「うーん、私も戦争はよくないと 思う。でも、でも、大切な人が目の前で 殺されるのをだまって見ていることなんて できないよね…」 マライヤ街道を西へと進む。 夜はターシャと交代で のじゅくした。西へ進めば 進むほど、いっぱん人は へり、軍隊が多くなる。 そしてついにダズールが みえてきた。夜のやみの中、 かがり火にてらされたその ようさいはとても不気味だ。 君達は夜のやみにまぎれ、 ようさいにせっきんした。 南門に近づいていくと、 たいまつをもった兵士が こちらに気づいて近づいて きた。 兵士「しょぞくをのべよ」 君達は、「エクセルシオ」とこたえた。 トト「時間通りだな。オレはトトだ。他の けいび兵はねむらせてある。はやく中へ」 馬は外にのこし、門の横の小 さなトビラから中へ入った。 門ばんのための小さな部屋 には他には誰もいなかった。 トト「じゃまになるやつはくすりで 眠らせておいた。だが一つよそうして いないことがおきた。この時間の門ばんを いっしょにやっていたやつが、なんでも ルービスでうばってきた女がにげようと したのにはらをたてたとかで、今ごうもん の部屋でその女をいたぶっている ようなんだ。そいつがいつここに帰って くるか、わからん。いいか、できるだけ すばやく仕事をすませるんだ。 道をおしえる。まずこの部屋を出たら、 まっすぐ進み、トビラをあけて、左へ まがり、まっすぐ進め。つきあたりの トビラのみぎのかべはかくしトビラに なっている。そこを進め。まっすぐ進んで つきあたったら右、進んで、左にまがり、 つきあたったら右のトビラをあけてすぐの 部屋がパリスの部屋だ。オレは一足先に 行って部屋のけいびをしてるやつをすこし の間他の所へつれていく。そのスキに、 部屋に入れ。合いカギをわたしておく。 おとすなよ。仕事をおえたらすぐに にげろ。いいな。じゃあ、オレは 先に行くからな」 トトは部屋を出ていった。 外はまっくらだ。 今日は月がくもで かくれている。 机がある。空になった 酒のビンがいくつかある。 ようさいの中にわがみえる。 とおくにけいび兵のすがたが 見える。こちらには気づいて いない。 パリス将軍の部屋の トビラだ。 まがり角の向こうから 人の話し声がきこえる! けいび兵に見つかった! まだにんむをおえていない。 パリス将軍の部屋だ。 すいぶんとしっそな 部屋だ。         「暗殺可」 パリス将軍がベットで ぐっすりねむっている。 トビラの向こうに人の 気配は無い。 トビラの向こうから かすかに女のひめいの ようなものがきこえてくる。 トビラの向こうから人の 話し声がきこえる。 トビラの向こうから ものおとがきこえる。 トビラの向こうから 女のあえぎ声がきこえる。 チュートリアル:トビラの むこうの気配をさぐるには、 「しらべる/トビラ」を 実行します。場所によっては 「ききみみ」もできます。 男の声1「お前知ってるか?今門ばん やってるよう兵のショジュアってやつ」 男の声2「いや、知らんな。そいつが どうかしたのか?」 男の声1「ほりょの女にごうもんしてる らしいんだよ」 男の声2「え!?それはまずい。軍法 かいぎになるな」 男の声1「だからよう兵はキライなんだ。 ルービスでもよう兵部隊が村人を虐殺 したってきくしよ。ダグラットなんていう 国が戦争しかけてこなけりゃあ、 あんなつきあいたくもないごろつきどもと いっしょにいなくてもすんだのに」 男の声1「それにしてもこわかったな、 ダグラットの兵士。死ぬのがこわくない ってかんじでおそいかかってくるん だもんな」 男の声2「ああ、はっきりいって、 いじょうだぜ、ありゃあ」 男の声1「明日の作戦、気がおもいよな」 男の声2「ああ、リデルの街を とりかえしたって、住民はダグラットの やつらに虐殺されて一人も残って ないんだからな。知ってるか?ジョシュア のやつ、リデルにこいびとがいたらしい んだ。リデルがおちたってきいて、あいつ すっかり狂っちまってさ。今地下室で ほりょの女いたぶってるんだとよ」 男の声1「こわくてとめられないな」 パリス将軍のしんぞうに 剣をつきさした。パリス将軍 が、カッと目をあけて口を ぱくぱくとうごかす。 すこしして絶命した。 ベットにはパリス将軍の 死体がのっており、血の 海になっている。 床に血がおちている。 ドアノブにべっとりと 血がついている。 トビラの向こうに 人のいる気配がする。 部屋には血と酒のにおいが じゅうまんしていた。 目の前に、ケルージャの兵士 らしき男がたっており、床に 血まみれの女がころがって いる。男は相当よっている ようだ。男はこちらを見る なりおそいかかってきた。 男と女の死体が ころがっている。 外に出るトビラだ。 君はターシャとともに 馬にまたがりいそいで ダズールをはなれた。 そして10日の昼、セント ダグラットに帰ってきた。 行きよりゆっくり帰ったこと もあってか、パリス将軍暗殺 の知らせはすでに届いている ようだった。君達が将軍を 暗殺したよくじつ、 ダズールはかんらくした らしく、民衆はおまつり さわぎでしょうりによって いた。だが民衆達はそうした しょうりをもたらした者が、 すぐそばを馬にのって通り すぎていったことを知ら ない。スパイはかおが有名に なっては仕事にならないから しかたがないのだが。君達は そんな民衆達の間をぬって城 へと向かった。城につき、 エクセルシオにもどると、 バリーをはじめとしてエクセ ルシオのメンバーが君達を まっていた。なすがままに 食堂につれていかれる。 すると、ごうせいなりょうり と酒がたいりょうに用意され ていた。君達はなかば むりやり席につかされ、その まわりをずらっとエクセル シオのメンバーがとり囲ん だ。バリーが大声で叫んだ。 バリー「今日、新しいえいゆうが たんじょうした!君ははつのにんむで 敵の将軍を暗殺し、無事帰ってきた! 君はダグラットの平和とちつじょを 守ったのだ!さあ今日は無礼こうだ! のんで食ってさわぐぞーっ!!」 バリーが言いおえるとみなが わーっとかん声を上げ、 さっそくたべものや酒に むらがった。君達の所にも どんどん皿やグラスがくる。 ターシャ「な、なんかびっくりだね。でも うれしいね。こうしてほめられるのって」 みながみな、君のことを ほめたたえた。 えんかいはよふけまで つづいた。 そして次の日のあさ。 君は部屋のベットの上で 目をさました。 ターシャが君のかおをのぞき こんでいる。 ターシャ「おはよう     !あさ だよー!あさごはんたべにいこう!」 まがり角の向こうから 人の話し声がきこえる! トトの声ではない。 けいび兵がたまって 話をしているのだろう。