君達はいそいで街を出て、 セントダグラットを めざした。 にんむは…しっぱいした。 セントダグラットにつき、 エクセルシオに帰った。 みながかんげいしてくれたが バリーによってすぐに王の 部屋につれていかれた。 ダグラット王「前回のにんむはよくやって くれた。そうきゅうにかかってもらいたい にんむがある。今日の夜中の3時にここを 出発し、この城のすぐそばにあるゴデバ 大臣の家にせん入し、大臣を暗殺せよ。 大臣はケルージャとれんらくをとっている 反逆者だということが判明したのだ。 大臣はこの国を敵にうるつもりなのだ」 ターシャ「どうしてあの時…アリスさんを 殺さなかったの?こたえなくていいよ…」 セントダグラットにつき、 エクセルシオに帰った。 するとバリーがいて、すぐに 王の部屋につれていかれた。 ダグラット王「前回のにんむのことはもう よい。そうきゅうにかかってもらいたい 部屋にもどるとターシャは 夜中の2時におこしてと言い 仮眠をとることにした。 君はしたくをして、時を まった。 君がうとうとしていると、 マドから知らない男がそっと しんにゅうしてきた! 君が剣をぬくと、男は 言った。 男「まってくれ。武器はもっていない。 しずかに私の話をきいてほしい。」 君が返事をするよりも はやく、男は話しだした。 男「君はエクセルシオ隊長のバリーに はめられている。それを伝えにきた。 私はゴデバ大臣の使いだ。君にしんじつを 知ってほしい。まず、君はたまたま船が なんぱし、マリアという名のばあさんに たまたま見つけられて助けられ、 事件にまきこまれて今ここにいると思って いるだろうが、それは違う。よく 思い出してみてくれ。君はマリアが他の村 人と話す所をみたかい?多分見ていない はずだ。家の外にも出してもらえなかった だろう?君はマリアという人に助けられた と思っているだろうが、マリアは人を助け るような人間ではないんだ。マリアは 村一ばんのきらわれ者だったんだからね。 マリアが殺されるのを見たと君は言うが、 本当に殺されるしゅんかんをその目で 見たかい?見ていないはずだ。なぜなら 君がみたマリアの死体は人形だったん だからね。君がマリアという名で知って いる人間はこの街で今も生きている。 ことのおこりはこうだ。君がのっていた 船にはバリーの手下がのりこんでいて、 意図的に船は沈むように細工された。 そして船が沈み何名かの男女が海岸に 流れついた。そしてバリーは君をえらび、 その他の人間をしまつした。そして君を マリアにあずけ、ケルージャのしゅうげき を意図的にひきおこした。バリーは君を せんのうして自分の手下として利用しよう としたんだ。ケルージャを一方的に悪いと 信じている手下はさぞ使いやすいだろう。 そこで君にたのみがある。このダグラット という国は自分かってな平和とせいぎを ふりまわし、まわりの国、また自分の国内 の民衆にまで多大なひがいを与えている。 わが主人ゴデバ大臣は、反乱軍および ケルージャとれんらくをとり、今の ダグラット国王を殺し、新しい国をつくる 計画を進めている。君にしてほしいのは、 王の暗殺だ。われわれは君らの部隊だけが 知っているひみつのぬけみちだけは、 ちょうさしてもわからなかった。君以外の エクセルシオのメンバーはみな王に完全な ちゅうせいをちかっている。だから、 王の暗殺をたのめるのは、君しかいない んだ。頼む、世界全体の平和のために…。 王を暗殺したらわれわれのやしきへきて くれ。あとはゴデバ大臣が全てうまく やってくれる。それから… そこでねてる少女はバリーの仲間だ。 気をつけろ」 そう言うと男はマドから 去っていった。 すると、ターシャが目を さました! ターシャ「あれえ?なんかものおとがした ような気がしたんだけどな…。ふわあ…。 さて、にんむのしたくをしなくっちゃね」 そういっておきあがり、 にんむのしたくをした。 兵士がいる。 ターシャの死体が ころがっている。 王の部屋だ。         「暗殺可」 ダグラット王がベットの上 ですやすやねている。 ターシャ「にんむにいかなくちゃ!」 にんむにいく。 まだいかない。 ターシャ「どうしてこっちに行くの?」 全てを話す。 一歩もどる。 ターシャを殺す。 ターシャ「私のことうたがってないよね? 私はバリーの仲間じゃない。あなたが決め たことなら私ついていくよ。その男の言う ことを信じて本当に王を暗殺するのね?」 はい。 いいえ。 ターシャ「じゃあ、行きましょ」 ターシャ「なら、にんむへ行きましょ」 君の剣がターシャの体を つらぬいた。ターシャが ひどくおどろいた目で君の かおを見た。ターシャは 死んだ。 もうあとにはひけない。 君はゴデバ大臣のやしきへ 行き、ゴデバ大臣を暗殺 した。君はエクセルシオの 中で、そんけいされ、 しょうさんされた。 そのいくにちか後のこと、 ダグラット王国はほろんだ。 ケルージャとダグラット国内 の反乱軍によって。この国は ケルージャによってという よりはむしろ国内から ほうかいしたのだ。 エクセルシオのメンバーは 全員が戦争犯罪者として 処刑されることに なった。もちろん 君とターシャも。 そして君は死んだ。 君は覚めることのないゆめ へとおちていった。 君はダグラット王に 剣をつきさした。 王が信じられない といったかおで君を みた。 そして君とターシャは なにくわぬかおをして 城を出て、ゴデバ大臣の やしきへ行った。 大臣のやしきにかくまわれ てから3日後、 ダグラット王国はほうかい した。ゴデバ大臣と、 ケルージャと、国内の 反乱軍の力によって。 ダグラット王国はケルージャ とどうめいをむすび、 ゴデバ新国王のもとで新しく さいけんされることと なった。 君とターシャは、 新しいダグラットが 成立するための大きな やくわりをはたしたとして、 ダグラットからも、 ケルージャからも、 えいゆうとして しょうさんされた。 君達のことは今後、 伝説としてかたりつだれて いくことだろう。 新しいダグラット王国が できて一ヶ月がたち、 だんだん安定してきた ある日の午後、 君はターシャとともににもつ をまとめ、人目をさけて、 そっとセントダグラット の街を出た。 マライヤ街道をすこし 進み、ふりかえる。広い 草原の向こう、青空の下に、 セントダグラットの街並みが 見える。空を白いくもが ゆっくりとながれていく。 やさしい風がほほをなでる。 ターシャのかみが風と おどる。 しばらく無言で、 とおくの街を見つめた。 ターシャ「ねえ、 私は、これから…どこへ行っても、 いいの。だって私には帰るところがないん だもの。私をつれてってくれる?」 「いっしょにいこう」 「つれてはいけない」 君は無言で マライヤ街道を西へ、 歩き出した。 ターシャと二人、 手をつないで。 君は無言で マライヤ街道を西へ、 歩き出した。 東へいくターシャに せをむけて。 ターシャ「そういえば、バリー、 まだつかまってないよね。 私、ひとつ思い出したことがあるの。 昔、私にはお姉ちゃんがいたんだ。 でも、ある時知らない男が おねえちゃんをつれていったの。 その男は、多分バリーだわ。 そしておねえちゃんは、 きっとクルズブルグで、 あの時殺さなかったアリスという人。 まずはクルズブルグに行こうよ。 おねえちゃんかどうか、たしかめたい…」 こうして君とターシャの 長い長い旅が、今まさに はじまったのである。 ディレクター:   オオタコウヘイ きょうりょく:   ヤマグチアキコ 『セントダグラット物語』       END 君はダグラット王に 剣をつきさした。 王が信じられない といったかおで君を みた。 そして君は なにくわぬかおをして 城を出て、ゴデバ大臣の やしきへ行った。 大臣のやしきにかくまわれ てから3日後、 ダグラット王国はほうかい した。ゴデバ大臣と、 ケルージャと、国内の 反乱軍の力によって。 ダグラット王国はケルージャ とどうめいをむすび、 ゴデバ新国王のもとで新しく さいけんされることと なった。 君は、 新しいダグラットが 成立するための大きな やくわりをはたしたとして、 ダグラットからも、 ケルージャからも、 えいゆうとして しょうさんされた。 君のことは今後、 伝説としてかたりつだれて いくことだろう。 新しいダグラット王国が できて一ヶ月がたち、 だんだん安定してきた ある日の午後、 君は一人にもつを まとめ、人目をさけて、 そっとセントダグラット の街を出た。 マライヤ街道をすこし 進み、ふりかえる。広い 草原の向こう、青空の下に、 セントダグラットの街並みが 見える。空を白いくもが ゆっくりとながれていく。 やさしい風がほほをなでる。 君は一人、しばらく無言で、 とおくの街を見つめた。 そしてマライヤ街道を西へ 歩き出した。 君は、この国でえいゆうに なった。しかし、はたして 君の一つ一つのせんたくは 正しかったのだろうか…? でも… そんなことはどんでもよいの かもしれない…。きせつは 変わり、君の目の前には青々 とした草原が広がり、所々 むらさきの花が咲いている。 やがてはやってくる秋の風も 冬の風も、じゅゆんかんする きせつの決まりごとに変わり はない。咲いては枯れ、 枯れては咲く… それはまるで、人の人生が 重なり重なりうけつがれて いくようではないか…。 君はひょっとしたら、 この草原に咲く、 いちりんの花だったのかも しれない…。 ターシャ「さて、入口の兵士さんの所に 行って、手配をしてもらいましょっ」 外は月がくもでかくれて まっくらで、まちは しずまりかえっている。